保釈金が払えないときの3つの方法|立替制度と相場
保釈を考えたとき、多くの方が最初に直面するのが「保釈金をどう用意するか」という問題です。保釈金はまとまった金額になることが多く、すぐに現金を準備できないご家庭は決して珍しくありません。しかし、手元にお金が足りなくても、立替制度や保証書の利用など、保釈の実現を目指す方法はあります。あきらめる前に、まずはご相談ください。
このページは、広島で刑事弁護に注力する弁護士・古山智隆(広島弁護士会・弁護士登録番号60292)が解説します。広島県全域・島根県・山口県東部に対応しています。
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まず結論 ―― 保釈金が用意できなくても、保釈をあきらめる必要はありません
保釈金が手元になくても、日本保釈支援協会の立替制度や、全国弁護士協同組合連合会(全弁協)の保釈保証書など、現金を用意できない場合のための仕組みが整備されています。保釈という制度そのものの説明は保釈とは(解説ページ)をご覧ください。
保釈金の相場と金額の決まり方
保釈金の額は裁判所が事案ごとに決めますが、通常、100万円〜300万円程度は必要となります。金額は、犯罪の性質や情状、被告人の資力・性格などを考慮して「出頭を保証するに足りる相当な金額」として定められます(刑事訴訟法93条2項)。そのため、事案が重い場合や資力が大きい場合には高くなり、逆に資力が乏しい事情は金額を抑える方向で考慮される場合があります。保釈請求の際には、こうしたご事情を裁判所に適切に伝えることも大切です。
払えないときの3つの方法
現金をすぐに用意できないときの現実的な選択肢は、大きく次の3つです。どの方法が適するかは事案とご事情によりますので、ご事情に合わせ一緒に検討します。
① 日本保釈支援協会の立替制度
一般社団法人日本保釈支援協会が、審査のうえで保釈保証金を立て替える制度です。協会の公表する基準では、立替の限度額は500万円、立替期間は2か月とされ、立替額に応じた手数料がかかります(例:立替額200万円・期間2か月の場合の手数料5万5000円。別途、事務手数料5500円・税込)。なお、2か月を超えた場合は2か月単位で延長できるものの、その都度、立替手数料と事務手数料が必要です。
② 全弁協の保釈保証書
保釈保証金の全部又は一部について、現金納付に代えて、全国弁護士協同組合連合会(全弁協)が発行する保釈保証書を裁判所に差し入れる方法です。保証書による代納には裁判所の許可が必要です(刑事訴訟法94条3項)。全弁協の公表する基準では、保証料は一般の事案で保証金額の2%、保証書発行の上限は一般の事案で300万円とされています。なお、薬物事案は保証料も上限額もことなる上、自己負担金が必要になります。
③ 親族からの援助・有価証券等による納付
ご本人以外の方(親族など)が保釈金を納めることも通常可能です。また、現金に代えて有価証券による納付が認められる場合もあります(刑事訴訟法94条3項)。またご親族で一部を用意し、不足分を立替制度で補うといった組み合わせを検討できる場合もあります。
保釈金は原則戻ってきます
保釈金は「支払うお金」ではなく「裁判所に預けるお金」であり、裁判が終わって保釈が失効すれば、原則として全額が返還されます。没取(ぼっしゅ・返してもらえなくなること)の可能性があるのは、逃亡や正当な理由のない不出頭、罪証隠滅、住居制限その他の保釈条件への違反などにより保釈が取り消された場合等です(刑事訴訟法96条)。実刑判決となった場合でも、保釈条件を守っていれば没取されないのが通常です。
保釈金の納付から釈放までの段取りは、保釈金を準備できる時間帯によって当日釈放か翌日かが変わることがあります。広島の事件での具体的な段取りは、ご相談の際にご案内します。手続の全体像は勾留と釈放の解説記事もご参照ください。
保釈に向けて私がすること
保釈は、お金の準備だけで実現するものではなく、裁判所に「釈放しても逃亡や罪証隠滅のおそれがない」と判断してもらうための活動が必要です。私は、事案に即した保釈請求書の作成、身元引受人となるご家族との調整と身元引受書の準備、住居・就労など釈放後の生活環境の調整、立替制度・保釈保証書の申込みのサポートを行い、保釈請求が却下された場合には準抗告(不服申立て)も検討します。ご家族にお願いしたいことはご家族の方へのページに、費用については費用のページにまとめています。
よくあるご質問
保釈金は分割払いできますか?
裁判所に納める保釈金そのものは、決定された金額を一括で納める必要があり、分割納付は認められていません。もっとも、手元の資金が足りない場合には、日本保釈支援協会の立替制度や全弁協の保釈保証書を利用することで、当面の負担を抑えられる場合があります。ご事情に応じた方法を一緒に検討しますので、まずはご相談ください。
立替制度の手数料はどのくらいですか?
日本保釈支援協会の立替制度では、立替額と期間に応じた手数料がかかります。協会の公表する基準では、例えば立替額200万円・期間2か月の場合の手数料は5万5000円で、別途、事務手数料5500円(税込)が必要です(2026年7月時点)。基準は改定されることがあるため、利用時に最新の内容を確認します。なお、全弁協の保釈保証書の場合は、一般の事案で保証金額の2%の保証料がかかります。
保釈金は判決の後に戻ってきますか?
はい。保釈中に逃亡・罪証隠滅・保釈条件違反などがなければ、判決の確定などにより保釈が失効した後、所定の手続を経て原則として全額が返還されます。実刑判決になった場合でも、条件を守っていれば没取されないのが通常です。返還までの時期は事案や手続の状況によって異なります。
※ 本ページは2026年7月時点の情報に基づく一般的な解説であり、結果を保証するものではありません。見通しは個々の事案により異なります。
保釈金が用意できないという理由だけで、保釈をあきらめる必要はありません。立替制度や保証書の利用も含めて、ご事情に合った方法を一緒に探します。広島でご家族の保釈をお考えの方は、まずはお電話でお気軽にご相談ください。