盗撮の罰金はいくら?司法統計から罰金額・略式命令を解説

スマートフォンで盗撮する場面のイラスト

盗撮で警察の捜査を受けている方にとって、「罰金はいくらになるのか」「初犯なら罰金で済むのか」は大きな関心事だと思います。性的姿態等撮影罪、いわゆる盗撮の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金です。

弁護士 古山智隆

弁護士 古山智隆広島はちす法律事務所・広島弁護士会

このページは、広島で刑事弁護に注力する弁護士・古山智隆(広島弁護士会・弁護士登録番号60292)が解説します。広島県全域・島根県・山口県東部に対応しています。

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通常裁判の罰金額

最高裁判所の「令和6年司法統計年報・刑事編」では、性的姿態撮影等処罰法違反について、通常第一審で罰金刑となった人の罰金額が公表されています。地方裁判所と簡易裁判所を合わせると、次のとおりです。

罰金額人数
50万円以上100万円未満15人
30万円以上50万円未満3人
合計18人

18人のうち15人、約83.3%が50万円以上100万円未満でした。もっとも、この18人は、通常の公判手続で裁判を受けた事件だけを対象としています。

通常第一審で罰金刑となった人の罰金額(令和6年)

性的姿態撮影等処罰法違反・地方裁判所と簡易裁判所の合計 18人

50万円以上100万円未満30万円以上50万円未満

※通常の公判手続で裁判を受けた人だけの数字です。略式命令で罰金となった人は含まれません。出典:最高裁判所「令和6年司法統計年報 刑事編」

相場と断定できない理由

性的姿態撮影等処罰法違反では、罰金となる事件の多くが、正式な裁判ではなく略式命令によって処理されています。令和6年には、性的姿態撮影等処罰法違反で起訴された2,982人のうち、公判請求985人、略式命令請求1,997人でした。つまり、起訴された人の約3分の2は、正式な公判ではなく略式手続による処理が選択されています。略式命令とは、簡易裁判所が書面を中心に審理し、罰金又は科料を科す手続です。

起訴された人の内訳(令和6年)

性的姿態撮影等処罰法違反・起訴された 2,982人

公判請求(正式な裁判)略式命令請求

※略式命令「請求」の人数です。略式命令でいくらの罰金になったかの内訳は公表されていません。

しかし、令和6年司法統計では、性的姿態撮影等処罰法違反について、略式命令で実際に何万円の罰金となったかを罪名別に確認できる統計は公表されていません。

弁護士のポイント

「盗撮では50万円以上100万円未満の罰金が一般的である」とまではいえません。通常第一審では50万円以上100万円未満が多かった、というところまでが統計から確認できる内容です。

盗撮だけの数字ではない

もう一つ注意が必要です。司法統計では、「性的姿態撮影等処罰法」という法律単位で集計されています。この法律では、いわゆる盗撮に当たる性的姿態等撮影罪だけでなく、撮影された画像・動画の提供、提供目的での保管、送信などについても処罰規定が設けられています。したがって、司法統計にある18人が、すべて単純な盗撮事件であるとは限りません。

罰金額を左右する事情

実際の処分や罰金額は、個々の事件によって異なります。盗撮事件では、例えば、次のような事情が考慮されます。

  • 撮影の回数や期間
  • 撮影の方法や場所
  • 被害者の人数
  • 余罪の有無
  • 撮影した画像等を第三者に提供したか
  • 前科前歴
  • 被害者との示談状況

単に「初犯だから罰金○万円」と機械的に決まるわけではありません。

よくあるご質問

Q初犯なら罰金で済みますか?
A

初犯であることは処分を考える上で考慮され得る事情ですが、初犯なら必ず罰金で済むとはいえません。令和6年には略式命令請求が1,997人と多数に上っており、正式裁判ではなく罰金によって処理されている事件が相当数存在することは統計から確認できますが、犯行態様、余罪、示談の成否なども含めて見通しを判断する必要があります。

Q示談すると罰金は安くなりますか?
A

被害者との示談成立は、刑事処分や量刑を判断する際に考慮され得る重要な事情の一つです。もっとも、「示談をすれば罰金が必ず○万円下がる」という基準があるわけではありません。示談の成立によって不起訴となる場合もあれば、起訴された場合の量刑判断で考慮される場合もあります。

Q罰金でも前科になりますか?
A

はい。罰金刑も刑罰の一つです。略式命令によって罰金を科され、その略式命令が確定した場合にも前科となります。「正式裁判にならなかったから前科にならない」というわけではありません。

Q起訴されずに済むこともありますか?
A

はい。盗撮の起訴率や不起訴の傾向については、別記事「盗撮は起訴される?」で詳しく解説しています。

出典:最高裁判所「令和6年司法統計年報 刑事編」

個別の事件の処分や罰金額は、撮影態様、回数、余罪、前科前歴、示談の成否などによって異なります。広島で盗撮の捜査を受けている方、ご家族が逮捕された方は、早めにご相談ください。

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※本ページは2026年8月時点の法令及び公表統計に基づく一般的な解説です。個別の事件について処分や罰金額を保証するものではありません。

この記事を書いた弁護士

弁護士 古山智隆

弁護士古山 智隆

広島はちす法律事務所
広島弁護士会(登録番号60292)

広島で刑事弁護に注力しています。逮捕直後からの接見、被害者の方との示談交渉、不起訴や早期の身柄解放を目指した弁護活動まで、事案に応じて対応します。対応地域は広島県全域・島根県・山口県東部です。

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