不同意わいせつ・不同意性交等の量刑は?実刑と執行猶予の割合を解説

不同意わいせつの場面のイラスト

不同意わいせつ・不同意性交等の疑いをかけられた場合、「有罪になると何年の拘禁刑になるのか」「罰金で済むことはあるのか」が気になるところです。

結論令和6年の通常第一審(法務省「令和7年版 犯罪白書」)

不同意性交等・不同意わいせつ全体の全部執行猶予の割合

56.0%

全部執行猶予1,008人 実刑792人

ただし、この数字には比較的法定刑の軽い不同意わいせつも含まれているため、「不同意性交等でも半数以上が執行猶予になる」という意味ではありません。

弁護士 古山智隆

弁護士 古山智隆広島はちす法律事務所・広島弁護士会

このページは、広島で刑事弁護に注力する弁護士・古山智隆(広島弁護士会・弁護士登録番号60292)が解説します。

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何年の刑が多い?

令和6年の通常第一審で、「不同意性交等・不同意わいせつ」として有期刑を言い渡された人は1,800人でした。

言渡刑人数割合
3年超557人30.9%
2年以上3年以下849人47.2%
1年以上2年未満389人21.6%
6月以上1年未満5人0.3%

最も多いのは2年以上3年以下で、全体の約47%を占めています。もっとも、この統計は不同意性交等と不同意わいせつを合算した数字です。両罪では法定刑が大きく異なるため、それぞれの量刑が同じという意味ではありません。

執行猶予の割合

同じ令和6年の統計では、1,800人のうち1,008人、56.0%が全部執行猶予でした。一方、実刑は792人で、約44.0%です。したがって、不同意性交等・不同意わいせつ全体で見ると、裁判になった場合でも半数を超える人に全部執行猶予が付されています。ただし、この数字には比較的法定刑の軽い不同意わいせつも含まれているため、「不同意性交等でも半数以上が執行猶予になる」という意味ではありません。

弁護士のポイント

執行猶予も有罪判決の一種であるため、前科は残ります。「実刑を避けられた=前科がつかない」というわけではありません。

不同意性交等は刑が重い

法務省法務総合研究所「研究部報告68」(精神障害を有する者等の性犯罪被害に関する研究)によると、令和5年の不同意性交等の通常第一審における有罪人員388人の刑期別構成は、次のとおりです。

  • 5年超10年以下:41.0%
  • 3年超5年以下:34.8%
  • 3年以下の実刑:7.2%
  • 3年以下・全部執行猶予:11.1%

不同意性交等の刑期別構成(令和5年)

通常第一審における有罪人員388人に占める割合

5年超10年以下41.0%
3年超5年以下34.8%
3年以下の実刑7.2%
3年以下・全部執行猶予11.1%

出典:法務省法務総合研究所「研究部報告68」

不同意性交等については、5年を超える実刑が最も多いことが分かります。不同意性交等罪の法定刑の下限は5年です。

弁護士のポイント

全部執行猶予を付けるには原則として3年以下の拘禁刑が言い渡される必要があるため、酌量減軽などがなければ全部執行猶予にはなりません。

罰金で済むことはない

不同意わいせつ罪・不同意性交等罪には、いずれも罰金刑の定めがありません。そのため、これらの罪について有罪となった場合に、「罰金だけを払って終わる」ということはありません。また、起訴される場合も、略式命令による罰金ではなく、正式な刑事裁判になります。

よくあるご質問

Q罰金だけで終わることはありますか?
A

ありません。不同意わいせつ罪・不同意性交等罪には罰金刑の定めがないため、起訴されれば略式命令ではなく正式な刑事裁判(公判請求)となります。

Q執行猶予になれば前科はつきませんか?
A

執行猶予も有罪判決の一種であるため、前科は残ります。「実刑を避けられた=前科がつかない」というわけではありません。

Q不同意性交等は必ず実刑になりますか?
A

必ず実刑になるわけではありません。もっとも、法定刑の下限が5年であるため、全部執行猶予を付けるには原則として3年以下の拘禁刑となる必要があり、酌量減軽などの事情がなければ執行猶予は付きにくい構造になっています。

出典:法務省「令和7年版 犯罪白書」2-3-3-3表(通常第一審における有期刑科刑状況)、法務省法務総合研究所「研究部報告68」(精神障害を有する者等の性犯罪被害に関する研究)第2章統計調査

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※実際の量刑は、行為の態様、被害の程度、示談の有無、前科・前歴などによって大きく異なります。本ページは2026年8月時点の公表統計に基づく一般的な解説です。

この記事を書いた弁護士

弁護士 古山智隆

弁護士古山 智隆

広島はちす法律事務所
広島弁護士会(登録番号60292)

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