痴漢の検挙は年間何件?――時間帯・場所の統計で見る痴漢事件(令和7年)

電車内の痴漢の場面のイラスト

痴漢で検挙される件数は、全国で年間1,657件(令和7年)でした。

結論令和7年の統計(警察庁「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」)

痴漢の検挙件数(全国)

1,657件

時間帯では朝6時から10時までが全体の34.0%、場所では電車・バスなどの乗物の中が52.8%を占めます。

時間帯では朝6時から10時までが全体の34.0%、場所では電車・バスなどの乗物の中が52.8%を占めます。

この記事では、警察庁が毎年公表している調査結果をもとに、痴漢事件が「いつ」「どこで」検挙されているかを整理します。

弁護士 古山智隆

弁護士 古山智隆広島はちす法律事務所・広島弁護士会

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この記事でいう「痴漢」とは

ここで使う数字は、警察庁の「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」(令和8年5月公表)のものです。

この調査でいう痴漢は、各都道府県の迷惑防止条例などに違反する行為のうち、「身体に触れる行為」またはそれに準ずる行為で検挙したものをいいます。

同じ「痴漢」と呼ばれる行為でも、刑法の不同意わいせつ罪(刑法176条)で検挙されたものは、この数字には入っていません(後ほど別の数字を紹介します)。

検挙件数の推移

年検挙件数検挙人員
令和3年1,931件1,576人
令和4年2,233件1,906人
令和5年2,254件1,998人
令和6年1,811件1,615人
令和7年1,657件1,405人

令和5年の2,254件をピークに、令和7年は1,657件と、約26%減っています(2,254件から597件の減少)。

件数(1,657件)が人員(1,405人)より多いのは、1人が複数の事件で検挙される場合があるためです。

時間帯:通勤・通学の朝に集中

時間帯検挙件数割合
6〜8時289件17.4%
8〜10時275件16.6%
18〜20時200件12.1%
22〜24時168件10.1%
16〜18時157件9.5%

(上位5つ。全体は1,657件)

朝6時から10時までの4時間で564件、全体の34.0%を占めます(289件+275件)。

夕方から夜にかけて(18時〜24時)も494件、29.8%あります(200件+126件+168件)。

通勤・通学の時間帯と、帰宅や飲酒の時間帯に多いことが分かります。

場所:半分以上が電車・バスの中

場所検挙件数割合
乗物内875件52.8%
うち電車等804件-
うちバス69件-
商業施設等339件20.5%
路上249件15.0%
駅構内125件7.5%

乗物の中が875件(52.8%)で最も多く、そのほとんどが電車等(804件)です。駅構内(125件)と合わせると1,000件、全体の約6割(60.4%)が電車・バスとその駅で起きています。

一方で、商業施設(339件)や路上(249件)も、あわせて3割以上あります。痴漢は電車の中だけの問題ではありません。

電車内の不同意わいせつ

同じ調査には、電車内の不同意わいせつの件数も載っています。

年認知件数検挙件数
令和3年124件110件
令和4年161件136件
令和5年318件206件
令和6年556件408件
令和7年618件440件

(令和5年7月12日以前に発生した事件は、強制わいせつの数値)

条例違反としての痴漢の検挙が減る一方で、電車内の不同意わいせつは、認知件数が5年で約5倍(124件→618件)、検挙件数が4倍(110件→440件)になっています。

不同意わいせつ罪は、6月以上10年以下の拘禁刑で、罰金刑がありません。迷惑防止条例違反よりも重く扱われる罪です。

増えている理由は、この調査からは分かりません。ただ、電車内の行為が、条例違反ではなく不同意わいせつ罪として扱われる例が少なくないことは、数字から読み取れます。

統計を読むときの注意

  • これは「検挙」の数です。被害を申告しなかった事件や、犯人が分からなかった事件は含まれません。実際に起きている件数は、これより多いと考えられます
  • 全国の数字です。広島県だけの痴漢の件数は、公表資料では見当たりませんでした
  • 統計は全体の傾向を示すもので、個別の事件の見通しを示すものではありません

疑われたら・逮捕されたら

痴漢事件では、逮捕されるか、在宅のまま捜査が進むか、示談ができるかどうかで、その後の流れが大きく変わります。

罪名ごとの違いや、逮捕・示談・否認の場合の対応は、「広島で痴漢事件の弁護士をお探しの方へ」で詳しく解説しています。

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この記事を書いた弁護士

弁護士 古山智隆

弁護士古山 智隆

広島はちす法律事務所
広島弁護士会(登録番号60292)

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出典:警察庁「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」(令和8年5月)、刑法176条(e-Gov法令検索)